脳血管疾患のほとんどを占める脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)は、医療技術の進歩、救急体制の整備などにより死亡数は減少傾向にあります。
しかし、脳卒中の多くを占める脳梗塞の発症数は年々増加しており、2025年には脳卒中全体で300万人になると言われています。
幸いにも一命を取り留めたとしても、後遺症を抱える割合が高く、また若年性のケースも増えていることから、後遺症が足かせとなり職場復帰ができず生活に大きな問題を抱えてしまうことが多い疾患です。
21世紀に入り、今後迎える社会はかつてのような高度経済成長が見込めない社会。
そして、人口動態も大きく変化を遂げ、2035年には国民の3人に1人が高齢者となる超高齢社会を迎えます。
そのような時代、かつての保険制度のみでリハビリ環境を維持していくことは限界を迎えているといえます。
リハビリ環境の課題は、ひとことで言えば「個人に合わせて必要なリハビリを提供する機会が得にくい」と表現することができます。
健康保険、介護保険を利用したリハビリは、時代が変わった結果、その制度のみではリハビリの質と量を担保しきれなくなり、ひとりひとりで異なる後遺症の症状、生活のあり方やメンタルにいたるまで、後遺症を抱えた人たちが自分に適したリハビリを自由に受けることができる機会が不足している、という課題を抱えています。
脳血管疾患の後遺症は、多くが片麻痺と呼ばれる半身麻痺、拘縮、痙縮と言われる運動機能障害が多くを占め、脳の損傷部位により高次脳機能障害と言われる言語障害、嚥下障害、記憶障害、注意障害、遂行機能障害などの重い障害が残るケースもあります。
病院でのリハビリでADL(日常生活動作)をある程度回復し、退院し生活に戻ったとしても、以前できていた単純な動作すら思うままにならない、歩けたとしても車いすや装具、杖が欠かせず自由に動けない状態であることが多いため、退院後のリハビリ先が見つからない、家族への負担増、職場復帰を断念せざるを得ない、またできたとしても以前のようにうまくいかずに悩まれるなど多くの方が悩みを抱えており、そういった人たちが自分の求める生活を送るために「改善を諦めずにリハビリに取り組み続けたい」という切実な願いがあるにも関わらず、リハビリ環境がそれに応えきれていない状況なのです。
私たちは、これらの社会問題の解決のために、全力で挑戦し続けます。
大切な人を思い浮かべてみてください。
大切な人との生活が奪われるかもしれないことを、
想像してみてください。
誰もが普通に過ごしていた幸せの生活が、
ある日一瞬のうちに崩れ去ってしまうことが、
すべてのひとにありうる未来なのです。
私たちは、そんな時代に身体の自由を奪われてしまった人々が、
自分に最適なリハビリテーションを自由に受ける機会が
損なわれることなく、希望を持ち続けていられるために、
リハビリにおける「第3の選択肢」を提供し続けることで、
社会問題の解決に挑戦していきます。